★ミネアポリス出身、20年以上にわたってデイヴィッド・サンボーン・バンドの中核を担い、90年代半ばのプリンス作品『(Gold Experience』『Emancipation』『Crystal Ball』)に参加し、名曲“The Most Beautiful Girl in the World”のプロデュース/アレンジもつとめたサウンド・クリエイター、リッキー・ピーターソンの実に20年振りとなる5作目のソロ作品!!
★その共演ミュージシャンは挙げればきりがなく、ビリー・ジョエル、ジェームス・テイラー、ボズ・スキャッグスといったPOPS/AORのフィールドから、チャカ・カーン、アニタ・ベイカー、レイラ・ハサウェイといったR&B、ソウル・ミュージック、そして、サンボーン・バンドのみならず、ジョージ・ベンソン、カーク・ウェイラムといったクロス・オーヴァーなバンドまで、とても書ききれないキャリアの持ち主。かのマイルス・デイヴィスも、トミー・リピューマの話を聞いて注目し、そのサウンドに魅了されたというエピソードからも、才能がただものでないことがわかります。
★本作は、そんなリッキー・ピーターソンの積み重ねたキャリアをそのまま形にした注目作!!
★R&Bのグルーヴとソフィスティケートされたハーモニー&サウンド・センスを感じさせるオープニング“Drop Shot”は20年前にリリースしたあの『Souvenir』のオープニングも飾った鉄壁の一曲。3曲目,7曲目の“Snake”“Full House”はサンボーン&マーカスが組んだライヴではここぞのところで演奏されて、観客を最高にわかせたR&Bナンバーで、往年のファンなら、ファンク/シャッフルのビートに体がうずくこと間違いなし。フィーチャーされるリッキー・ピーターソンのソロでは、そのままライヴの光景が蘇るファンの方も多いことでしょう。一方、ボビー・コールドウェルのAORナンバーではメロウなセンスと、スウィートなヴォーカルでホロっとさせ、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの“Thank you for~”は、都会的なセンスで、アーヴァンなリッキー・ピーターソン・サウンドに書きかえ。そして、ラストはプリンスの名曲“Sexy MF”。さすが、ペイズリー・パークのスタッフ・プロデューサーをつとめたことのあるリッキー・ピーターソン。世界はミネアポリスにトリップします。
★しかし、このサウンドを成り立たせるのに忘れてはならないのがまた脇を固めたメンバーたち!共演するWDRビッグ・バンドは、言うまでもなくヨーロッパを代表する存在ですが、今回は、WDRのチーフ・コンダクターにボブ・ミンツァーが就任して、アレンジを手がけた功績が絶大!リッキー・ピーターソンと同様にポップスからR&B、クロスオーバー、ジャズというジャンルを横断するミンツァーだからこそ描けたキレのいいブラス、またポップな中にユニークなハーモニーを織り込んだリッキー・ピーターソンの演奏と呼応するアンサンブルのアプローチなど、聴きどころ満載。またコアとなるリズム・セクションに、ファミリーのポール・ピーターソンと、ジーン・レイクというアメリカ人のリズム・セクションを迎えていることもポイント。グルーヴが命のサウンドに、このリズム・セクションは外せません。
★89年にトミー・リピューマとベン・シドランを迎えたデビュー作『Night Watch』をリリースして以来、ベン・シドランのGo Jazzでの2作、ウィンダム・ヒル・ジャズの作品とコンスタントに作品を出していた時期から、長い時間が経過しましたが、名曲と名アレンジあり、快演8トラックをおさめた本作は、間違いなく、リッキー・ピーターソンのソロとしてのマイルストーンです!