★東欧リトアニアの最強サックス奏者、リューダス・モツクーナスが2018年に3度めの来日を果たした際のライブ音源。横浜のジャズスポット「Bitches Brew」に“日本の最強インプロヴァイザー軍団”の坂田明、梅津和時等を迎え、4日間連続の白熱のライヴが収録されている。
★オープニングの坂田明(クラリネット)とリューダス(ソプラノサックス)によるデュエット演奏からスタート。坂田のクラリネットに即座に反応するリューダスとの掛け合いに緊張感が走る。纐纈雅代の堂々としたアルトに呼応してリューダスは水を張ったバケツにソプラノを突っ込んで異音を発する。
★3曲目は梅津和時とのデュオ。17分にわたる演奏はリューダスの縦横無尽に吹きまくるソプラノに梅津がバスクラ、クラリネット、ソプラノ、アルトで反応する。4曲目はリューダスがテナーに持ち替え、梅津のバスクラ、アルト、ソプラノさらにギターの大友良英がが絡んだトリオ演奏。ラストはリューダス、坂田明に林栄一が加わったトリオ。坂田明の「えんやーどっと」の掛け声が印象的な独特なヴォーカル(?)と、林のアルトに堂々としたリューダスが絡む。途中坂田がクラリネットに持ち替え三人が縦横無尽に絡み合いプレイをする。
★「リューダスの魅力とともに、日本の共演者の魅力がそれぞれの個性とともに玉手箱に詰まっている。」(解説:稲岡邦彌Nadja21/JazzTokyo)ライナーノートより
★東欧最強サックス奏者とそれを迎え撃つ5人の侍インプロヴァイザー。真剣勝負の行く末にたどり着いた、音の万華鏡を追体験する一枚。
出演者略歴
■リューダス・モツクーナス
東欧最強のサックス奏者。1976年5月18日、バルト3国のひとつリトアニアのパネヴェジスの生まれ。ウラジミール・チェカシン に師事。クラリネット、ソプラノからコントラバス、サブコンラバス・サックスまで、特殊タンギング、マルチフォニック、循環呼吸などあらゆるテクニックを用いて演奏。2010年の初来日以来、3度の来日を果たし、インプロ・ファンの間では知らぬ者のいない存在になりつつある。
■坂田明(さかた・あきら)
1945年、呉市出身、広島大学水畜産学部水産学科卒業。1972年「山下洋輔トリオ」に参加、森山威男(ds)と共に“ゴールデン・トリオ”を組み、日欧を席巻。その後、さまざまなプロジェクトで内外で活躍。ミジンコの研究でも世界的に知られる。役者としての顔も持つ。
■纐纈雅代(こうけつ・まさよ)
1977年、岐阜県出身。15才の時、ピアノからアルトサックスに転向、以来サックス一筋。バードを咀嚼した上でファッショナブルなコスチュームからは想定外の音が飛び出す。2008年、『鈴木勲 Solitude Feat.纐纈雅代』(SONY)でCDデビュー。2015年、CD『Band of Eden』、自伝『音の深みへ』刊行。
■梅津和時(うめづ・かずとき)
1949年、仙台市出身。国立音大在学中にジャズの世界でプロ活動を始め、ニューヨークでフリー・ジャズに目覚める。帰国後、生活向上委員会、ドクトル梅津バンド、シャクシャイン、こまっちゃクレズマ、KIKI BANDなど率い内外で活躍するほか、忌野清志郎をサポート、作曲家として映画『銀河鉄道の夜』などの音楽を担当。
■大友良英(おおとも・よしひで)
1959年、横浜出身。ギタリスト、ターンテーブル奏者、作曲家、映画音楽家、プロデューサーとして内外を問わずジャンルを超えて活動を続ける。2012年、プロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門、2013年、NHK朝ドラ「あまちゃん」の音楽を含む活動で東京ドラマアウォード特別賞、レコード大賞作曲賞を受賞。2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を担当。
■林栄一(はやし・えいいち)
1950年、東京出身。高校時代からアルトの名手と騒がれ、山下洋輔のバンドに飛び入り、1980年、正式メンバーとして参加。アルトサックス界随一の美しい音と美学で憧れる若手奏者も多い。1990年、初のソロ・アルバム『MAZURU』発表。故片山広明との双頭バンド、デ・ガ・ショー、関島岳郎らとのフォトン、CO2、Mazuru Orchestraなどで内外で活躍。
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