リチェルカール・コンソートによる
バロック音楽を彩る2つの「模倣」が詰まったアルバム
- アーティスト:リチェルカール・コンソート
- レーベル:MIRARE
- 品番:MIR-302
- ジャンル: ジャンル クラシック 声楽曲
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
- 収録時間:79:00
リチェルカール・コンソートによる
バロック音楽を彩る2つの「模倣」が詰まったアルバム
ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルル作品集~標題音楽と幻想様式
ビーバー:5声のセレナード*、4声の嘆きのバレット、ソナタ6番、戦い
シュメルツァー:ソナタ・レプレゼンタティヴァ、ヴィオールとヴィオラのためのソナタ、
古いアリアによるセレナータ
アレッサンドロ・ポリエッティ:「ハンガリーの反乱」によるトッカッティーナ
ケルル:シュタイアーの羊飼い、ソナタA.3.ex.G.B mol **
リチェルカール・コンソート
ソフィー・ジェント、トゥオモ・スニ(ヴァイオリン)
フィリップ・ピエルロ(バス・ド・ヴィオール、ヴィオール・アルト)
上村かおり、ライナー・ツィパーリング(バス・ド・ヴィオール)
フランク・コピーテルス(ヴィオローネ)
マウデ・グラットン(クラヴサン) ジュリアン・ウォルフス(オルガン・クラヴサン)
マティアス・フィーヴェク(バス)*
サラ・クイケン(ヴァイオリン)** フレデリック・ヒルデブランド(ヴィオール)**
サンネ・デプレッテーレ(ヴィオローネ)**
録音:2014年12月
★三十年戦争の後、音楽によってその威光を示そうとしたハプスブルグ家の野望は、ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルルを始めとする多くの才能ある音楽家の登場を促しました。このCDにはそんな彼らの2つの意味での「模倣の音楽」が収録されています。
★1つ目の意味での「模倣」は、「描写」としての音楽。バロック時代は「描写音楽」が花開いた時代でした。彼らの「描写音楽」は謝肉祭の期間に、自然の音や日常に溢れる音を描写して人々を楽しませ、謝肉祭の中で大きな位置を占めていました。ビーバーの「5声のセレナード」は、2本のヴァイオリン、3本のヴィオール、クラヴサンに加えて4楽章「アリア」にのみ夜警役のバスが出てくる作品。リュートを思わせるピチカートの伴奏の上で「皆さん聴いてくれ 鐘が9時(10時)を告げた 火に気をつけて、よく気をつけて 父なる神とわれらが優しき乙女をたたえなさい(今谷和徳訳)」と歌います。「戦い」の描写も沢山の作曲家が挑んだテーマ。このCDではポリエッティの「『ハンガリーの反乱』によるトッカッティーナ」とビーバーの「戦い」がおさめられています。ポリエッティはオスマン帝国との第二次ウィーン包囲の際のハンガリー反乱に題材をとり、チェンバロのソロで馬のギャロップを表しています。ビーバーの「戦い」は太鼓や大砲の音を模倣するために弦に紙を挟んで共鳴させたり、楽器の胴を叩いたり、はたまた指板に打ち付けるようなピチカート(20世紀になってから「バルトーク・ピチカート」として使われるようになる現代奏法!)の使用など、現代音楽顔負けの特殊奏法のオンパレードです。
★2つ目の模倣は「対位法技術としての模倣」。ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルルが生きた時代の神聖ローマ帝国の皇帝、レオポルト1世は音楽を愛好し、対位法にも秀で、自身でも作曲していたと伝えられています。ある声部の主要な楽想を他の声部が模倣する模倣対位法のスタイルを好んだ皇帝のために、彼らは洗練された書法のソナタを書きました。当時「ヨーロッパ1のヴァイオリニスト」と称されたシュメルツァーを始めとする彼らのソナタを聴いていると、1つのメロディが様々な楽器に受け渡され、まるで楽器同士が対話しているような様子を聴くことができます。
★ジャケット写真には、歌川広重の『桃花燕子』(江戸時代 天保3年/1832)が使用されています。
リチェルカール・コンソート、マリア・ケオハネ、サラ=ジェーン・サマーズ
MIR-540
リチェルカール・コンソート、アンヌ・ケフェレック、他
MIR-566
リチェルカール・コンソート
MIR-302
リチェルカール・コンソート
MIR-237
リチェルカール・コンソート
MIR-444