★1962年生まれ、ブラジリアでキャリアをスタートした、ルーラ・ガルヴァオンの最新作品。
★リーダー作を出したのが、40代も半ば過ぎの2008年ながら、ホーザ・パソスとの共演/ アレンジでも知られ、ジョイスも絶賛するブラジリアン・ギターのマエストロ。1999年イヴァン・リンスと共に来日した他、2015年には渡辺貞夫のバンド・メンバーとしてホール・コンサートのツアーに同行しています。
★本作は、そんなルーラ・ガルヴァオンが、アコースティック・ギター一本でつづった10編。ジョニー・アルフ、アントニオ・カルロス・ジョビン、エドゥ・ロボ、ドリバル・カイミ、ギンガといったブラジル音楽界の巨匠が作曲した楽曲の美しさはいうまでもないことながら、それらのナンバーの世界観はそのままに、シンプルにも、豊かなハーモニーとエレガンスをたたえたメロディで編みあげた演奏は、シンプルに聴いて耳に心地よいものであり、しっかり聴いて、奥深さを感じるもの。テンポはほぼスロー～ミディアムで、音数も抑えめな淡々とした印象。それでいて、豊かなイマジネーションで、ソフィスティケートされたアレンジがなされた演奏で、聴く人の心にしっかりと印象を残していきます。
★喜怒哀楽の陰影がとけこんだブラジル音楽の魅力を味わえる一作です。