•福盛進也、挾間美帆、伊藤ゴロー、原田知世などと共演し、近年ではアニメ映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇中曲のピアノを担当するなど映画音楽にも関わりが深いピアニスト佐藤浩一が、5年間かけて構想を練った3作目がついにリリースされます。
•“胎児”を意味する『Embryo』と名付けられた文学的/詩的な今作の世界観は、忘れられがちな人間の原始的な感情や感覚を取り戻すオアシスとなるような、佐藤浩一の音楽家としての強靭なクリエイティヴ・エネルギーが満ちた作品となっています。
•初の試みとなるソロピアノ作品集DISC-1 “Water”では調律師・狩野真氏が佐藤の楽曲に合わせて考案した(ヴァロッティ音律※を応用した)古典調律を施したベーゼンドルファーを使用。和音ごとに異なる表情を見せるこの調律により、現代のハーモニーの中では聞けないような緊張と緩和が味わえます。ある和音においての混じり気のない透き通った響きと佐藤の演奏との相乗効果は、音の波紋が水面にどこまでも広がっていくような幻想的な音像を実現させています。(※18世紀のオルガニスト、作曲家、音楽理論家、フランチェスコ・アントニオ・ヴァロッティによって考案された音律。鍵盤楽器ですべての調を演奏可能にする調律法のひとつ。)
•DISC-2 “Breath”では佐藤が絶大な信頼を寄せるミュージシャン達が様々な編成でストーリーを繰り広げます。息を呑むような緊張感から、燃え立つようなパッション、繊細で優しい風景までを描き出し、DISC-1 “Water”でピアノのみで演奏された曲も全く新たな表情を魅せています。
•また気鋭のアンビエント/サウンドスケープ・アーティスト、Zeze Wakamatsuを起用した「Draw」でのサウンドスケープと生演奏との見事なコントラストが生み出す音空間は本作の最も刺激的な瞬間のひとつとなっています。
•前作『Melancholy of a Journey』(2016年)では室内楽的な楽器編成に拘りアンサンブルを重視したのに対して、今作は自身のピアニズムを全面に出すというコンセプトのもとに制作。佐藤の「即興」に対する考え方もこれまでとは異なり、繰り返されるモチーフの中の微細な変化や揺らぎに拘った極限にまで無駄を省いたストイックな即興を追求しています。
•本作はレーベルnagaluのコンセプトのひとつである、最新のモノラル録音/ミックスで行われています。福盛進也のディレクションならではの骨太で生々しい空間性のあるモノラルサウンドの魅力を堪能できる作品となっています。
トレイラーはこちら→
https://youtu.be/amB5wLI7cWc
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