ハルフダン・クレーヴェの知られざる作品
- アーティスト:フラガリア・ヴェスカ
- レーベル:SIMAX
- 品番:PSC-1343
- ジャンル: ジャンル クラシック 室内楽
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
- その他の製品情報:デジパック
- 収録時間:68:16
ハルフダン・クレーヴェの知られざる作品
『悲劇のバラード』
ハルフダン・クレーヴェ(1879–1951):室内楽作品集
ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.9(1905–06)*
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.21(1918–19)
悲劇のバラードOp.22(1949)(ヴァイオリンとピアノのための)*
ロマンスOp.27(1949)(ヴァイオリンとピアノのための)*
メロディ(ヴァイオリンとピアノのための)*
無窮動Op.2 no.3(pub.1902 arr.c.1946)(ヴァイオリンとピアノのための)
フラガリア・ヴェスカ
トール・ヨハン・ボーエン(ヴァイオリン) アリソン・レイナー(ヴァイオリン)
ベネディクト・ロワイエ(ヴィオラ) オレリエンヌ・ブローネ(チェロ) 吉田沙苗(ピアノ)
[Piano: Steinway D.274, 1983 New York,
restored in 2010, Steinway & Sons, Hamburg][* 初録音]
録音:2016年7月26–29日、2017年7月4–6日
ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作: ヨールン・ペーデシェン、スティーヴン・フロスト
録音: アルネ・アクセルベルグ、マイク・ハッチ
★アンサンブル「フラガリア・ヴェスカ」は、ヴァイオリニストのトール・ヨハン・ボーエンを中心に、2006年、オスロで結成されました。オーストラリア出身のアリソン・レイナー、フランスのベネディクト・ロワイエとオレリエンヌ・ブローネ。イジー・フリンカとホーコン・アウストボーに学んだ吉田沙苗がピアノを担当しています。1930年代ノルウェーの新しいロマンティックな流れに光を当てるシリーズ。ガイル・トヴァイト(ゲイル・トヴェイト)(PSC1222)、モンラード・ヨハンセン(PSC1334)につづくアルバムは、作曲家でピアニスト、ハルフダン・クレーヴェの室内楽作品集です。
クレーヴェは、1879年、コングスベルグ生まれ。コングスベルグ教会のオルガニストだった父アンドレーアスからピアノ、オルガン、作曲と即興を教わりました。地元のコンサートや父の代役として教会でオルガンを弾き、その合間にひとりで釣り旅行に出かけ、山の散策に楽しみを見出すという時間を過ごしています。森で聞く鳥の歌、雨、嵐、冬場の雪。子供のころの自然との触れ合いは、心を慰め、さまざまなインスピレーションを与えてくれたといいます。1895年秋、クレーヴェはクリスチャニア(現 オスロ)に移り、オトー・ヴィンテル=イェルムにピアノと作曲を学び、リンデマン音楽院の彼の音楽理論とオルガンのクラスに加わりました。1899年からべルリン音楽大学とクリントヴォルト=シャルヴェンカ音楽院で学び、1902年、自作のピアノ協奏曲第1番と第3番をトンキュンストラー管弦楽団の共演で演奏。ブルーノ・シュラーダーが彼の才能を称賛した批評を寄せています。帰国後は作曲家、ピアニストとして活動。オスロの音楽院(現 ノルウェー国立音楽大学)でピアノを教え、1951年に没しました。
フラガリア・ヴェスカのアルバム『悲劇のバラード』では、これまで顧みられることの少なかったクレーヴェの作品から6曲が演奏されます。クリスチャン・シンディングの系列の後期ロマンティシズム・スタイルの音楽。《ピアノ五重奏曲 変ホ長調》は、クレーヴェがベルリンのデビュー・コンサートで演奏したピアノ協奏曲第3番の原曲。「春を謳う詩を想わせる」とゲルハルド・シェルレルプから評された《ヴァイオリン・ソナタ ホ短調》。ピアノ曲が原曲の《悲劇のバラード》。《4つのピアノの小品》(Op.25)の第2曲〈春の気分〉と音楽的なつながりをもつ《ロマンス》。ピアノのための《7つの前奏曲》(Op.28)の第3曲を編曲した《メロディ》。《3つのピアノの小品》(Op.2)の第3曲をヴァイオリンとピアノのために編曲した《無窮動》は、カミラ・ウィックスに献呈された作品です。出版譜のあるヴァイオリン・ソナタと《ロマンス》以外の作品は、ボーエンが手稿譜を校訂した版により演奏されました。