★『Heart of Brazil - A Tribute to Egberto Gismonti』に続き、エディ・ダニエルズがブラジルMPBコンポーザーの楽曲を綴るイヴァン・リンス・トリビュート作品。
★仕掛け人/プロデューサーはResonance Recordsのファウンダー、ジョージ・クラビン。70年代にブラジルを訪れたジョージ・クラビンはブラジル音楽に深く感銘をうけ、イヴァン・リンスの音楽に魅了されてきたとのこと。グラミー賞にノミネートもされ、高い評価を受けたエグベルト・ジスモンチの楽曲集と同様に本作もクラビンが選曲。70年代のはじめにキャリアをスタートして以来、イヴァン・リンスは文字通り多くの珠玉のメロディを生み出していますが、その中から、“Velas Içadas”をはじめ、『SomosTodos Ignais Nasta Noite』『A Noite』に収録された曲を筆頭に70年代終わりから80年代はじめにかけて発表された曲を中心に、セレクトしています。
★メンバーは、エディ・ダニエルズのほか、リズム・セクションも前作同様のアーティストが核となる中で、本作の魅力は、デイヴ・グルーシンとボブ・ジェームスがゲスト参加したこと！デイヴ・グルーシンはアルバム『ハーレクイン』でイヴァンをフィーチャーし、アメリカの大衆に至るまでイヴァンの存在・音楽の魅力を広く知らしめたアーティスト。ボブ・ジェームスは、イヴァン・リンスの音楽から影響を受けてきたアーティスト。説明不要のコンテンポラリー・ミュージックの巨匠二人が、才能を認めてきたエディ・ダニエルズの存在によって参加し、またラスト・ナンバーでは、共演！グルーシンがアコースティック・ピアノを、ジェームスがエレピを演奏。それぞれ、年齢80代！長いキャリアを持つアーティストがここで初の共演を果たしています。
★実は、このMPBシリーズ、三部作とのことで、こののちにはミルトン・ナシメント曲集が企画されているとの情報。イヴァン・リンス、ミルトン・ナシメントは、美しいメロディ・ラインと共に、それぞれのアーティストの声、ヴォイスがキーになっているため、第一作目のジスモンチとの違いがありますが、プロデューサーの音楽への愛が形になっていることは間違いなく、完結編も楽しみです。