And To The Republic

ロック・ジャズで一世を風靡したELEWことエリック・ルイス
ベースにレジナルド・ヴィール、ドラムにジェフ・ワッツを迎えた
ジャズ回帰のトリオ作!

  • アーティスト:ELEW (Eric Lewis)
  • レーベル:SUNNYSIDE
  • 品番:SSC-1460
  • ジャンル: ジャンル ジャズ
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD

TRACK LIST

ELEW (Eric Lewis) / And To The Republic


1. Medicine Man (4:58)

2. Ornette (4:37)

3. Lil Luba (5:06)

4. Tones For Elvin Jones (7:39)

5. Heart Beats(The Knife) (6:00)

6. Quirkwork (3:22)

7. Jamica Girl (3:45)

8. And to the Republic: Act 3, Scene2 of Shakespeare's Julius Caesar (8:26)

9. Monk (5:19)

10. My Favorite Things (7:51)

11. The Philly Groove (4:09)


メンバー:ELEW: Eric Lewis(p), Reginald Veal(b), Jeff "Tain"Watts(ds), Harry Lennix(Oration=M8)


★ロック・ジャズを標榜し、2010年辺り、アルバム・リリースとライヴと、そのパフォーマンスがオーディエンスを驚かせたELEWこと、Eric Lewisの最新作。立ってピアノに向かった写真をジャケにしたCDは、ポーズかと思えばそうではなく、ブルーノート東京を舞台にしても、真ん中にステージをセッティング。響板を外したピアノに椅子も置かず、立って向かってのパフォーマンスは見た目も斬新なら、演奏曲目も、ニルヴァーナやマイケル・ジャクソンから、ブレイキング・ベンジャミン、ザ・ナイフ、キル・ハンナといったマニアックなところまでカバー。話題をさらいました。

★一方、経歴をたどれば、エリック・ルイスは1999年セロニアス・モンク・インターナショナル・ピアノ・コンペティションの優勝者。ウィントン・マルサリス、エルヴィン・ジョーンズといったスターのバンドで活躍しながら、ジャズの世界に落胆し、ジャズ・ロックを標榜した人。そのルイスが、ジャズ回帰した作品をSunnysideからリリースする運びになりました。

★ドラムには、エルヴィン・ジョーンズの正統的後継ともいえるあのジェフ・ワッツ、ベースには、ウィントン・マルサリスのバンドを陰で支えるレジナルド・ヴィールといった面々。演奏曲目を見ても<オーネット>、<モンク>、<トーンズ・フォー・エルヴィン・ジョーンズ>そして<マイ・フェイヴァリット・シングス>といわゆるジャズを強く意識させる楽曲が並びます。演奏を聴いても、オープニングからスウィング感を感じさせるリズム、またジャズの故郷、ニューオリンズの香りを感じさせる演奏もチラホラと見えます。スウィング感と、奇妙な不協和音を取り入れた<モンク>は確かにセロニアス・モンクのそれであり、リスペクトも見えます。

★しかし、世間を、世界をあっと言わせた反骨精神が即消えるわけはありません。シェイクスピアのシーザーの一節をフィーチャーしたトラックあり、インストの演奏も、かつての暴れん坊ぶりも見え隠れ。ユニークさは消えません。

★さて、これからどちらの方向に向かうのか、その分岐点にたったアーティストの個性的な一枚です。


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