★イギリスの詩人で芸術家のウィリアム・ブレイク（1757-1827）は、芸術における意図と独創性は「境界線」によって区切られると書き、作品の境界線が「鋭くはっきりと」引かれれば引かれるほど、芸術の完成度が高まることを意味している。ピアニストのグレッグ・レイタンは2019年の夏、ニューヨーク州コートランド・マナーにある作曲家アーロン・コープランド（1900-1990）の自宅「ロック・ヒル」でのアーティスト・レジデンシーでこの考えを心に刻んだ。人里離れた環境とコープランドの書斎に触発されたレイタンは、新しいレコーディング『The Bounding Line』を決心した。
★レイタンは優れたピアニスト、作曲家として名を馳せており、自身のトリオや映画、テレビのために作曲、編曲を行っている。不動のメンバー、ベーシストのJack DaroとドラマーのDean Kobaは、南カリフォルニア大学在学中に出会って以来、30年近くレイタンの音楽世界に欠かせない存在である。彼らの長年のコラボレーションにより密度の濃い演奏を届けてくれる。