★1939年6月5日、ナチス占領下のプラハで行われたヴァーツラフ・ターリヒ(タリフ)によるスメタナの<我が祖国>のライヴ録音(SU-4065)は世界中で注目を集め、2012年の英グラモフォン賞の「スペシャル・アワード~歴史的録音部門」を受賞するなど、ターリヒのディスコグラフィ史上最も輝くディスクの1枚となりました。
★ここにリリースされる注目のCDは、リブシェ姫に傑出した最後のソプラノ歌手といえるマリエ・ポドゥヴァロヴァーが歌う、スメタナのオペラ<リブシェ>のライヴ録音が完全初出音源として日の目を見ます!当録音は既記した<我が祖国>の1週間前にあたる1939年5月29日、ターリヒ指揮により国民劇場でライヴ収録されたもので、<リブシェ>第3幕の断片が奇跡的に残されておりました。
★スメタナのオペラ<リブシェ>第3幕におけるリブシェの予言は、チェコ国家の未来の情景を伝えるもので、1939年の情勢とオペラの内容が重なり、国家の誇りと勇気を思うチェコ市民に強く響いたに違いありません。残されていた貴重な音源は完全ではないものの、その価値は計り知れません。スプラフォン・レーベルが誇る技術陣が丁寧にリマスタリングを施した結果、欠落部分はきわめて少なく、音楽的に聴きやすいフレーズを大切に復刻しました。欠落の有無を含め、各トラックに収録されている小節を【 】内に記載しております。なお、参照したスコアはPrague: Umělecká Beseda, n.d.(1917)で、当スコアのページ及び小節も( )内に併記いたしました。
★当CDはターリヒ指揮による唯一のオペラの録音で、プラハの国民劇場で行われた現存するもっとも古いオペラの音源です。そして、ナチスによって厳しく禁止される前のオペラ<リブシェ>最後の公演となった歴史的な記録とも言えます。この公演の熱狂ぶりは、記録された聴衆の長く盛大な拍手と共に歌われた国歌からも窺い知ることが出来るでしょう。
★なお、当ライヴの翌年1940年にスタジオ録音された<リブシェ>序曲も収録されております。
当アルバムのプロデューサーでリマスタリングにも携わったミロシュ・グートが語るトレーラーはこちら↓