★SUPRAPHONレーベルが力を注いで新録音をリリースしているチェコの作曲家、ボフスラフ・マルティヌー。当アルバムでは1953年から1958年に作曲した管弦楽曲5篇を録音しました。
★多作曲家マルティヌーは交響曲をはじめアメリカ時代の産物が主要曲として知られますが、ヨーロッパにうつった1953年以降も精力的に作品を書き上げました。「ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画」は、1954年イタリアを訪れた際に聖フランチェスコ聖堂中央礼拝堂のピエロ・デラ・フランチェスカの「十字架物語」に基づく壁画に触発されて1955年に作曲した3楽章構成の作品。「フレスコ画には独特の厳格な静けさがあり、穏やかで感動的な詩が溢れている。それは私が音楽で表現したい暗い色の雰囲気をもつ」と生前マルティヌーは語っています。この作品はハープを伴う4管編成で書かれています。
★「寓話集」もまたもマルティヌーの哲学的な思想が反映されており、3つの楽章それぞれに人生や人間の探求の寓話が描かれています。交響的前奏曲「ザ・ロック」は、1619年に北米にやってきたイギリス人入植者の上陸地と巡礼者としてのマルティヌー自身の運命を重ね合わせた作品。最後の「版画」は、これまでのオーケストラ作品のような何かにインスパイアされたというよりも、静寂の中に織り込まれた細密画のような印象を受ける美しい作品です。これら素晴らしいマルティヌーの作品はいまだに正当な評価を得ているとは言えず、ネトピル率いるプラハ放送交響楽団が自国の偉大な作曲家への思いを丁寧に描き出します。
★1975年チェコ共和国東部のクロメルジーシュに生まれたトマーシュ・ネトピル。ザルツブルク音楽祭やベルリン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレの公演に出演、2013/14年のシーズンよりエッセン歌劇場の音楽総監督に就任すると同時に、ドレスデン国立歌劇場、パリ国立オペラ座、ウィーン国立歌劇場、またベルリン・フィル、パリ管、ロンドン・フィルといった、欧州各地のオーケストラや劇場へ出演するなど、オペラ、コンサートの両面で活躍を続けています。日本では2019年11月、読売日本交響楽団との演奏会も話題となりました。SUPRAPHONレーベルからはマルティヌーの混声、児童合唱と独唱、小管弦楽のための民俗詩への連曲、カンタータ「花束」(SU-4220)をリリースしております。
トレイラーはこちら→
https://youtu.be/rjFSJ1yvVYY
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