★17~18世紀の南米のイエズス会の伝道にも現代のグローバル化という概念が少なからずありました。イエズス会は人の心を深く揺さぶる音楽の力を熟知しており、彼らが海を渡って持ち込んだヨーロッパの音楽はあっという間にボリビアやペルーの先住民に受け入れられ、チェコの作曲家ブレントナー、イタリアのイエズス会の宣教師ドメニコ・ツィーポリ、スイスの宣教師マルティン・シュミットの作品もまた南米のジャングルの集落や山中で演奏されるようになりました。それはまるでケチュア語がスペイン語と混じり合うように、ヨーロッパの音楽が現地の伝統的な音楽と混じり合っていくように。
★ケチュア語の賛歌「Hanaq pachap cussicuinin」やツィーポリの「Zuipaqui」でもわかるように彼らは音楽と歌を通して神をたたえ、聖母マリアに祈りを捧げてきました。モラヴィアでもまた同じように華やかな器楽の伴奏を加えて歌と踊りが楽しまれていました。それはまさに音楽におけるグローバル化です。スプラフォン・レーベルからの数多くの録音でも知られる名団体コレギウム・マリアヌムが当時の音楽を喜びに満ち演奏、そして歌っております。
トレイラーはこちら→
https://youtu.be/UqWTO8pVkTE