★19世紀から20世紀にかけてのチェコのピアノ協奏曲といえば、ドヴォルザークとマルティヌーが有名ですが、当アルバムでは同時代の知られざる傑作3篇を紹介します。
★カレル・コヴァルジョヴィツ(1862~1920)はプラハ音楽院にて指揮、作曲、クラリネット、ピアノを学び、スデニェク・フィビフから声楽と作曲の個人指導を受けました。指揮者として1896年から1898年までチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の初期のコンサートに出演。また、1900年には国民劇場のオペラの監督に就任。国民劇場での仕事はチェコの音楽界に最も貢献し、同劇場ではドヴォルザークの歌劇『ルサルカ』の初演を含む数多くの演奏を行っています。作曲家としては指揮者になる前から名声を得ており、歌劇『花婿たち』やバレエ『ハシシュ』で成功を収めました。コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲は、技巧的なピアノ独奏が散りばめられた難曲です。
★ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915~1940)のピアノ協奏曲は、プラハ音楽院の卒業作品として作曲。豪華な楽器編成と華麗なピアノ・パートが魅力で、1935年、自身の指揮で初演が行われ、批評家の絶賛を浴びました。カプラーロヴァーは1937年にパリに移りマルティヌーに師事。その翌年、ロンドンで開催された国際現代音楽協会フェスティバルで賞賛を浴び、同フェスティバルのオープニングコンサートではBBC管弦楽団を指揮し、自作「軍隊シンフォニエッタ」を演奏。しかし、1940年、25歳のとき結核でこの世を去っております。
★ヨゼフ・スークの弟子であったパヴェル・ボシュコヴェツ(1894~1972)は、1946年から1967年までプラハ芸術アカデミーで教職に就き、イルジー・パウエル、ヤン・ノヴァーク、ペトル・エベンなどを育てました。ピアノ協奏曲第2番は第二次世界大戦後の1949年作曲。この協奏曲はボシュコヴェツの代表曲の一つです。
★ピアノ独奏はチェコ出身のマレク・コザークです。コザークはプラハ芸術アカデミーでイヴァン・クランスキーに師事。2018年開催のブレーメン国際ピアノ・コンクールで優勝し注目されました。母国の作曲家の作品を心を込めて演奏しております。
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https://www.youtube.com/watch?v=zaZzwQR9UBg