★オランダのエリック･フロイマンスは、ロッテルダム音楽院で最初はクラシックトランペットを、後にジャズを学んだ。アメリカではドナルド・バードからレッスンを受け、フランク・フォスターやマーサー・エリントンのビッグバンドのメンバーとして活躍。1990年代初頭、ビバップとロックやオランダ特有のフリー・インプロヴィゼーションを組み合わせた若い世代のミュージシャンに数えられていたが、すぐに独自のサウンドとスタイルを確立。自身のカルテットを率い、1991年にレコーディング・デビュー。2007年からは、ファンクやロックの要素を取り入れたエレクトリックバンドGatecrashで精力的な活動を続け、「エレクトリック・マイルス」との異名を取る。ジョン・テイラー、マーク・ジョンソン、エンリコ･ピエラヌンツィ、ピーター・アースキンをはじめとする現代ジャズの有名どころや、ポップス、ワールドミュージックのミュージシャンとのコラボも多い。
★アメリカ出身のアコーディオン奏者、ウィル・ホルスハウザーは民俗音楽、ジャズ、アヴァンギャルドに造詣が深く、、ニューヨークの音楽シーンで活躍する経験豊かなミュージシャン。バイオリニストのレジーナ・カーター、クラリネット奏者のデヴィッド・クラカウアー、ハン・ベニンクやマイケル・ムーアなどの即興演奏家と世界中で共演すると共に、自身のプロジェクトでも活躍。
★2017年、ふとしたきっかけで初めて集まったエリックとウィルはすぐに意気投合し、試しにコンサートを数回行い、ファーストアルバム『Eric and Will』をレコーディング。もちろん両者ともにこのコラボレーションを続けたかったが、パンデミックによって、2020年に予定されていたアメリカ・ツアーにブレーキがかかってしまった。その後、彼らは2021年秋にオランダで30回ものギグを行うことになる。本作はそこでのライブ録音から抜粋されたもので、デュオのセカンドアルバムとなる。
★シューベルトのような内省的な瞑想曲から、アップビートでリズミカルな曲まで、さまざまな曲が収録。ウィルが米国アコーディオン奏者協会の委嘱で作曲した「Redbud Winter」は、ジャズとフォークの室内楽曲で、2つの楽器の悲しげな面とエネルギッシュな面の両方を包含している。また、ルイ・アームストロングとドク・ワトソンに捧げた曲（「To Louis」と「Deep Gap」）や、70年代の名曲「The Rainbow Connection」のカバーなど、先達にも敬意を表したレパートリーとなっている。