独絃哀歌

ヤンネ舘野による、独絃アルバム。
時代を超えて聴き手に与えられる力に満ちた1枚

  • アーティスト:ヤンネ舘野
  • レーベル:WAON RECORDS
  • 品番:WAONCD-500
  • ジャンル: ジャンル クラシック 器楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:HQCD

TRACK LIST

MONOLOGO VIA CORDA/ 独絃哀歌

1. エイナル・エングルンド(1916-1999):独奏ヴァイオリンのための≪遮られたアリオーゾ≫
2. アラム・イリイチ・ハチャトゥリャン(1903-1978):独奏ヴァイオリンのための≪ソナタ=モノローグ≫
3. ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):ヴァイオリン独奏のためのソナタ 作品104
4-8. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004

ヤンネ舘野(ヴァイオリン)
録音:2020年11月11-13日、品川区立五反田文化センター 音楽ホール
5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing
マイク:PureT Records current transmission microphones with Schoeps MK2H cupsules and KA40 sphere attachment/ 毛利忠晴(ピュアートレコーズ), 2015年作, 2018年改造型
セッティング:Near coincident pair microphones
プリアンプ:PureT Records PT-CMP01 、設計・製作:毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2015年作, 2016年改造型
ADコンバーター:Mytek Digital Brooklyn ADC
レコーダー:TASCAM DA-3000
マスタークロック:Grimm Audio CC2
DSD to PCM converter:Weiss Saracon-DSD
★フィンランドと日本を2つの故郷とするヴァイオリン奏者、ヤンネ舘野が無伴奏のアルバムをリリースします。同郷の作曲家であるノルドグレン、エングルンド、さらにハチャトゥリャンの作品をモダン・ヴァイオリンで、そしてバッハのパルティータ第2番をバロック・ヴァイオリンで収録しています。
★エングルンドは20世紀フィンランドを代表する作曲家の一人で、ここに収録されたのは彼の残した数少ないヴァイオリン独奏曲の一つ。緩急緩で構成された、内省的な作品。ハチャトゥリャンの作品は、中世の吟遊詩人たちの音楽を思わせる静かで瞑想的な部分に始まり、超絶技巧の部分を経て、ふたたび静謐へと姿を消していきます。フィンランドのノルドグレンの作品は、カレリア地方に伝わる「泣き歌」に題材をとった、微分音を用いて悲しみの揺らぎが表現されたもの。静謐から紡ぎ出される音楽は、人々の悲しみや嘆きを代弁しているようで深い共感をおぼえます。豊かな響きをあまさずとらえた録音にも注目です。そしてアルバムの掉尾を飾るのは、バッハの無伴奏パルティータ第2番。ここで舘野はヴァイオリンをバロック・ヴァイオリンに持ち替えて演奏しておりますが、楽器や時代の違いを超えたバッハの普遍性にあらためて感じ入るとともに、昨今の世界の状況、そして我々におそいかかる様々な困難が、ヤンネ舘野の演奏によって昇華され、慰めや力が与えられるよう。まさに渾身の1枚です。

◆レコード芸術 2022年2月号 準特選盤
4560205956503

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