エンヨット・シュナイダー:作品集Vol.10「サクソフォンの色彩」

WERGOレーベルの人気シリーズ10作目
サクソフォンの名人芸を活かしきった極彩色の響き
大作曲家の引用も効果的な聴き応えある作品群

  • アーティスト:ヴラディーミル・ランデ
  • レーベル:WERGO
  • 品番:WER-5119
  • ジャンル: ジャンル クラシック 現代音楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 収録時間:52:36

TRACK LIST

エンヨット・シュナイダー(1950-):作品集Vol.10
「陰影」~サクソフォンの色彩


①Cri Muet 沈黙の叫び ―2015年11月13日の追憶に
~ソプラノサクソフォン、合唱と管弦楽のための(2016)
②As Times Go Bye 時が経つにつれて ―J.S.バッハの追憶による組曲
~サクソフォン三重奏のための(2003)
③Pavane パヴァーヌ ―ルイズ・デ・ミランの舞曲による変奏曲
~コーラングレとサクソフォン四重奏のための(2016)
④Berlin Punk ベルリン・パンク ~サクソフォン四重奏と管弦楽のための協奏曲(2016)

全曲世界初録音

クレール= オプスキュール・サクソフォン四重奏団
ドミニク・ヴォーレンヴェーバー(③コーラングレ)
クラスノヤルスク「テベ・ポエム」合唱団(①)
コンスタンティン・ヤコブソン(①合唱指揮)
シベリア州立管弦楽団(①④)
ヴラディーミル・ランデ(①④指揮)
録音:①④2018年6月29日-7月3日/クラスノヤルスク、②③2018年9月19-20日/ベルリン

★WERGOから定期的にリリースの続くシュナイダー・エディション、第10集はサクソフォンに焦点を当てた曲が並びます。シュナイダーは1950年ドイツ生まれの作曲家で、600本もの映画音楽を手がけていることでも知られています。演奏している四重奏団の名前にある「clair-obscur」とは「明暗法」のことで、極端なコントラストを表しますが、ここに収録された作品も「明るく暗く」「強く弱く」「美しく醜く」といった対比が見られる内容となっています。シリアスな題材の曲や過去の大作曲家からの引用などもあり、考えさせられる音楽が並びます。 ★①はパリで起きたテロの追憶に書かれた作品。ベートーヴェンの『第九』第3 楽章が引用され、つんざく叫びや不穏なざわめき、機械的な連打音を思わせる楽想と交互に現れます。真に人間的な愛情に満ちた旋律と非人間的な無調的音塊の共存が恐ろしさを助長し、サクソフォンも二面性を持ち歌あり叫びあり。合唱は第4楽章の引用も。 ★②はプレリュード、クーラント、サラバンド、ジーグの4楽章からなり、J.S.バッハの平均律を引用しています。メロディの一部を切り取りパッチワークにして繰り返しつつパートごとにずらしたり、曲の中心を折り返し地点として鏡像形にしたり、別々の作品のテーマを二重フーガのように組み合わせたり、B-A-C-H音列を含むカノンを展開したりとバッハ的な技術を駆使しますが音はノリ良く小洒落てグルーヴィー。 ★③はスペイン・ルネサンス期の作曲家ルイズ・デ・ミランを引用。雰囲気ある柔らかなコードを奏でたかと思えばノスタルジーを感じる旋律があらわれるセピア色の音楽。コーラングレのくすんだ音色も良い味を出しています。 ★④はこのアルバムでもっとも「騒々しい」音楽です。強烈なエネルギーを持ち、躁状態と鬱状態を繰り返します。シュナイダーはパンクの精神を交響楽に置き換え、強靭な表現力と技術を持つサクソフォン四重奏と対峙させアグレッシヴな音楽を書き上げました。

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