クチュール

商業的な側面もそのままに
ノスタルジックな80年代サウンドを
現代に移し替えた個性的作品

  • アーティスト:ゲノエル・フォン・リリエンシュテルン
  • レーベル:WERGO
  • 品番:WER-6439
  • ジャンル: ジャンル クラシック 現代音楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 収録時間:49:24

TRACK LIST

ゲノエル・フォン・リリエンシュテルン(1979-):クチュール

①広告的音声 Voz Comercial ~声楽家とアンサンブルのための(2017)
②クチュール Couture ~ふたりのシンセサイザー独奏と管弦楽のための(2014)
③大きな絵 Big Picture ~声楽家とアンサンブルのための(2018/21)
④頂上 Top ~アンサンブルのための(2012/13)

①ヨハンナ・ヴァルガス(歌)、マリアーノ・キアッキアリーニ(指揮)、アンサンブル・ガレージ
②ベンジャミン・コブラー(オーバーハイム OB-Xa、ローランド JUNO-106)、ラース・ヨンソン(ヤマハ DX7、ローランド D-50)、イラン・ヴォルコフ(指揮)、南西ドイツ放送交響楽団
③ソエトキン・エルバース(歌)、マリアーノ・キアッキアリーニ(指揮)、アンサンブル・ガレージ
④スコット・ボイルズ(指揮)、アンサンブル・インターフェース
録音:2013-2021年
★1979年生まれのリリエンシュテルンは、CM音声や80年代ポップスなど、自分が繰り返しよくきいた音をサンプラー素材として作品を作っています。それらはいわば高度に商業化された音であり、コラージュ素材として意味ありげな素材に見えますが、なにか別の意味を含ませるとか、主観的な良し悪しをほのめかす、といった感じはまったくなく、気持ち良いくらいにあからさまに引用しています。それによって獲得された独特な雰囲気は実に個性的。
★シンセサイザーとオーケストラという編成で書かれた『クチュール Couture』は南西ドイツ放送交響楽団の委嘱作品。機械音と生音、新しさと伝統が対比されるイメージ…かと思いきや、およそまるで違う音楽が展開されます。使われるシンセサイザーはどれも80年代のもので、名器とされながらもすでに時代遅れとみなされている楽器であり、オーケストラもまた、同じ存在感をもつ「音源」という扱い。曲調としては80年代シンセ音楽が基礎にあり、その中で両者の音は溶け合うように織り込まれ、どこまでシンセか、どこからオケか、判然としないサウンドでたゆたいます。これがスコアに実際に書かれ、伝統によって高められた交響楽団が演奏しているというのも不思議な感覚にさせられます。
★『頂上 Top』はゲートリバーブのかかったスネアに始まります。80年代のヒット曲が使われ、終盤にヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」が登場。
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