ペトリス・ヴァスクス:弦楽四重奏第1、3、4番

スピーツェル弦楽四重奏団による、
ラトビアの作曲家ヴァスクスの弦楽四重奏曲集
厳しい時代の中で、作曲者が音に託した祈りと愛

  • アーティスト:スピーツェル弦楽四重奏団
  • レーベル:WERGO
  • 品番:WER-7330
  • ジャンル: ジャンル クラシック 現代音楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 収録時間:77:19

TRACK LIST

ペトリス・ヴァスクス(1946-):

1. 弦楽四重奏第4番

2. 弦楽四重奏第1番

3. 弦楽四重奏第3番


スピーツェル弦楽四重奏団

録音:② 2014年5月、①③ 2014年7月/レーゼクネ市コンサート・ホールGORS(ラトヴィア)


★ラトビア生まれの作曲家ペトリス・ヴァスクスの弦楽四重奏曲集。ソビエト占領下時代から独立後の混乱期まで、祖国ラトビアとそこに生きる人々の苦難を間近に見てきたヴァスクスにとって、音楽を書くことは人々にとっての「魂の楽園」を求めることでした。彼の創作の中で重要な位置を占めている5曲の弦楽四重奏曲には、どんな厳しい環境でも失われない彼の祈り、愛、希望が一貫して描かれています。

★弦楽四重奏第1番は、ソビエト占領下時代に書かれた作品。ラトビアを取り巻く厳しい状況と混乱、絶望に満ちた感情や、突き上げるような抵抗が描かれたのち、最終楽章では理想の世界を希求する静かで穏やかな楽想が広がります。

★弦楽四重奏第3番は、ラトビア独立後間もない頃に書かれた作品。クリスマスキャロルを引用した第1 楽章、ラトビアのフォークダンスのリズムを用いた第2楽章の後に続く第3楽章では、それまでと一変し鋭くシビアな表情が現れ「地球上で平和は可能か?」という問いを聴衆に突きつけます。最終楽章で再び現れる希望の光は、そんな自問自答を繰り返した作曲者の答えなのかもしれません。

★21世紀を目前にした1999年に書かれた弦楽四重奏第4番は、90歳を迎えたヴァスクスの母に捧げられた作品。彼女の生涯と20世紀が歩んだ歴史に想いを馳せて作曲されたといいます。最終楽章「瞑想」は、高音域で透明感のある歌を奏でるヴァイオリンソロが特徴的。「空高く飛ぶ天使が下界の状況を悼みつつ、かすかな癒しと慰めを与える」と作曲者が説明しています。この最終楽章「瞑想」は、2006年にヴァイオリンと弦楽合奏版が作られ、その版には「孤独な天使」というタイトルがつけられています。

既にWERGOからリリースされている弦楽四重奏第2番&5番(WER 7329)に引き続き今回も演奏を手がけるスピーツェル弦楽四重奏団は、シンフォニエッタ・リガ・オーケストラとリエパーヤ交響楽団のメンバーからなるラトビアの弦楽四重奏団。古典から現代まで幅広いレパートリーを持ち、ラトビア人作曲家の作品の演奏に力を入れて活動しています。

★そっと人々に寄り添うような曲を書き続けるヴァスクス。痛みに満ちた時代だからこそ必要とされる希望や信仰が、作曲者の肉声として伝わってくるような作品集です。


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