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https://www.kinginternational.co.jp/genre/kkc-6598/
≪ The Okura Tokyo ≫ 若き音楽家への支援 第24回 ホテルオークラ音楽賞
上野 通明(チェロ)
選評:寺西 基之(音楽評論家)
『上野通明さんの演奏に初めて接したのはもう10年くらい前のことになるが、鮮やかな技巧はもちろんのこと、その表現の豊かさは大器の素質を感じさせるものだった。そしてここ数年の彼は、まさに大器がすっかり花開いたといえるように、音楽にさらに奥行きと深みが加わり、そのため2021年に難関であるジュネーヴ国際コンクールに日本人として初めて優勝したという快挙のニュースに接した際も、彼ならばさもありなんという思いで受けとめたものだ。最近の録音であるバッハの無伴奏チェロ組曲のCDを聴いても、確かな造型のうちに即興風の趣も交え、雄弁な力強さの一方で軽やかな動きや陰影の濃やかさに事欠かず、自然な流れのうちに多様な表情を生み出した名演で、その確信に満ちたアプローチには彼が若くしてすでに自身の音楽観をしっかりと確立していることが見てとれる。この上にさらにどのように自らの音楽を究めていくのか、今後の彼の活動からは目が離せない。』
【経歴】2021年ジュネーヴ国際音楽コンクール・チェロ部門日本人初の優勝。その他13歳で若い音楽家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール日本人初の優勝、ヨハネス・ブラームス国際コンクール優勝など、国際舞台で次々と活躍し話題となる。オランダの名チェリスト、ピーター・ウィスペルウェイ氏に招かれ19歳で渡独。現在エリザベート王妃音楽院にてゲーリー・ホフマン氏にも師事。第31回出光音楽賞受賞。使用楽器は1758年製P.A.Testore(宗次コレクション)、弓は匿名のコレクターよりF.Tourteをそれぞれ貸与されている。
(ホテルオークラHPより https://theokuratokyo.jp/letter/news/kinen-2023-5/)